こんにちは。
知沙都です。
前回の記事はこちら。
ガールズバーの店長就任早々、よくここまでやらかしたよね。っていう話
消えたタケさんに代わってレッドの店長に抜擢されたものの、就任2日目で大失態を演じてしまった小関さん。
キャストたちの心情に全く配慮しない偉そうな言動。
お客様を挑発してブチ切れさせる。
酔っ払って暴言を吐く。
さらにバックヤードで吐く。
謎のビジュアル系ファッション。
このどれか1つでも嫌なのに、見事に5つそろって「こんな店長は嫌だビンゴ」があったらぶっちぎり優勝間違いなし。
もう無理。
まじ無理。
いろいろ無理。
この日の出来事は、別の社員(北沢さん)を通して社長にも報告済み。
女の子たちは店長交代を期待しました。
だって、そもそも小関さんは入社1ヵ月しか経っていなくて、研修の途中だったのですから。
まだ店長を任せられるレベルじゃなかったというのが露呈したわけで。
(店長としてのスキルよりも、むしろ本人自身に問題アリアリだけど・・・)
しかし。
結局、小関さんの続投が決まりました。
社員の北沢さんからは、「レッドの子たちに迷惑をかけて申し訳なかった。ただ、本人は頑張ろうと思って空回りしてしまったんだ。俺からも厳しく言っておいたから、女の子たちみんなも協力して支えてやってくれ」と。
そう言われてもね~~~~~。
小関さんに対する強烈な嫌悪感は、ちょっと偉い社員さんがフォローを入れたくらいで簡単に消えるものではない。
で、やっぱり思った通り。
反省しようが何だろうが、小関さんの振る舞いが偉そうなのは変わらない。
そういう人なんですよね。
自慢大好き。
武勇伝語り大好き。
他人のことは平気でけなす。
自分への評価はポジティブフィルターを通す。
謎のビジュアル系ファッション。
水商売のキャストには向いているタイプなのかもしれない。
だから前職のボーイズバーでは成功していたのかもしれない。
でも、今は店長ですから。
自分が自分が、ではなく、キャストとお客様のことをもっと考えてくれ。
お客様がいなくなってお店が暇になると、みゆさん・さくらさん・ゆうきさんたちベテラン勢だけで話をしている姿をよく見かけるようになりました。
タケさんについて何か知っていたのか。
レッドを辞める・移籍する等の相談をしていたのか。
そういえば、この頃ゆうきさんが珍しく体調不良で3日間も休んだんですよね。
店長交代騒動で相当なストレスを感じていたのでしょう。
キャストたちの中では、小関さんを替えてもらうためにストライキを起こそうか、なんて話まで出ていました。
実行されませんでしたが。
さあ、どうなるレッド。
さて。
今回はレッドを一旦離れて、私が働いていたキャバクラに舞台を移します。
時系列的には、タケさんがいなくなる3日前。
当時の私は、昼間の仕事・ガールズバー・キャバクラのトリプルワークでした。
キャバクラは週2で約10ヵ月しかやっていないので、あまり詳しいとはいえないのですが。
この頃ガールズバーがどんどん楽しくなっていった一方で、キャバクラではしっくり来ない日々が続いていました。
お客様からの指名もあまり取れておらず・・・
そんなある日、1人で来店したご新規フリー(指名なし)のお客様に付くことに。
キャバクラのすぐ近くの会社に勤めている「利輝(としき)さん」、当時41歳。
これは水商売歴がある程度長くなってもずっと同じだったのですが、初めて喋るお客様にはやっぱり少なからず緊張するんですよね。
どんな人なんだろう。
うまく喋れるかな。
頑張って楽しませなきゃ。
そんなことを考えながら、「初めまして、ちさとです。飲み放題はウイスキーかブランデーですが・・・(にこにこ)」と定型文で会話をスタート。
「あ、じゃあブランデーの水割りで」
グラスに氷を入れ、ブランデーを入れ、水を入れ、マドラーでぐるぐる。
すると、利輝さんが口を開きました。
「俺はキャバクラに自分で来るのは初めてなんだけど、」
「そうなんですか(にこにこ)」
「実は今日来たのは」
うんうん、と頷く私(にこにこ)。
「ちょっと恋愛相談をしたくて」
・・・(°Д°)
そう来たか。
利輝さんは、同じ職場の28歳の女性社員を好きになってしまったのだそう。
28歳にしてはちょっと世間知らずというか、結構手がかかる。
気分屋だし、メンタル弱め。
でもそれが可愛い!
顔も可愛い!
1日に何度かは話す機会があり、少しずつ惹かれていった。
仕事があまり出来る方ではないので、普段から面倒を見てあげている。
LINEでプライベートなやり取りも少しある。
しかし先日、話の流れでついに想いを告白するも、振られてしまう。
その後も仕事で接点があるのは変わらないし、LINEもしている。
職場の中では、自分は彼女と親しい方だと思う。
俺はこれからどうしたら良いのか。
同世代の女性の意見を聞きたい・・・
切々と語る利輝さん。
へぇ・・・こういう目的でキャバクラに来る人もいるのか。
私はそう思いました。
当時の私はまだ水商売歴3ヵ月。
いろんなお客様がいるのね、と。
利輝さんは、彼女とのエピソードをたくさん話してくれました。
嬉しかったこと、傷付いたこと。
それから、利輝さん自身はバツイチだということも。
私は真剣に聞きました。
キャバクラでは、フリーで入店すると15~20分ごとにキャストがチェンジするシステムになっています。
利輝さんは「キャバクラに来ておいてこんなことを言うのはあれだけど、キャバ嬢ってもっとギャルっぽいノリの子しかいないのかと思ってた。こんなふうに親身になって聞いてもらえて嬉しい」と言って、私を指名(場内指名)してくれました。
その後は延長もしてくれて、結局利輝さんの終電の時間までずっと喋り通し。
いかにも夜遊び慣れしていて「ハイ、お手並み拝見。楽しませてみて」みたいな雰囲気の漂うお客様が、私はとても苦手でした。
でも利輝さんにはそういうところが全くなく、もてなす側の私も非常に話しやすかったことをよく覚えています。
最後にLINEを交換し、利輝さんは「今日は本当にありがとう。すごく楽しかったよ。また来週も来るね」と言って帰っていきました。
あまり入ることのないキャバクラに緊張していたのか、それとも上手くいかない恋のせいか、初めはとても固い顔をしていたのに。
帰り際はとても晴れやかな表情でした。
その笑顔を見たときの充実感といったら!
(利輝さんを見送った後、店長には「場内指名であんなに長く居たのにドリンクもらえなかったの?笑」と言われてしまいましたが)
当時、毎日ではないけれど、手帳にメモ程度の日記をちょこちょこ付けておりまして。
利輝さんと出会った日には、こんなことが書いてありました。
(ほぼ原文ママ)
新規だというお客さんにつくことになって、少し構えてたら、すごく話が合った。恋愛相談に来たということもあって、余計な色じかけ(?)しなくても良かったし、会社員経験があってキャバ嬢らしくない私を気に入ってくれたらしい。あと、ドリンクとかをねだらないところ。本来のキャバ嬢としての仕事をしてないことになるけど、どうせキャバ嬢らしさじゃ勝負できない(すぐそういうこと思うのがいけないのかもしれないけど)んだから、こういう私を気に入ってくれる人がたまにいるなら、それでいいと思ってしまう。
ガールズバーで私の最初の指名客になってくれたお客様は「森野さん」という方なんですが、実はキャバクラも含めると利輝さんが先。
この翌週から、利輝さんはキャバクラにほぼ毎週通ってくれるようになります。
こうして振り返っていると、懐かしくてしみじみしてしまうなぁ。
思い入れがあり過ぎて書くのがちょっとツラい。笑
果たして利輝さんの恋は実るのか・・・??
ではでは、今回もお読みくださってありがとうございました。
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