ガールズバーの店長就任早々、よくここまでやらかしたよね。っていう話

こんにちは。

知沙都です。

 

 

前回の記事はこちら。

ガールズバー「レッド」を襲った衝撃

 

 

キャストからもお客様からも愛されていた店長・タケさんが突然姿を消し、悲しみと困惑に包まれるRed Moon Bar(レッド)。

 

 

それでも、今日もオープン時刻がやって来る。

 

レッドは年中無休です。

遣り場のない気持ちはいったん横に置き、いつも通りにレッドを営業していかなくてはなりません。

新しくレッドの店長に就任した小関さんとともに。

 

 

 

 

まず初めに。

新店長としてやってきた小関さんは、どんな人なのか。

 

私のもう1つのブログ「この夜が明ける前に」で小関さんについて書いた記事がありますので、よろしければそちらもぜひご覧ください。

 

 

小関さんはレッドの運営会社に中途採用された新入社員。

1ヵ月前に入ったばかりだったのだとか。

入社後、レッドの系列の店舗で店長研修を受けていたのだそうです。

 

店長研修といっても(たぶん)普通は1ヵ月では店長になれません。

ところが、突然レッドの店長ポストが空いたため、小関さんが抜擢されることになった、と。

 

 

 

まぁ・・・

 

タケさんがいなくなったことは、レッドのキャストたちにとっては非常にショックな出来事でした。

 

しかし、それ自体は小関さんには関係ない。

 

むしろ入社1ヵ月で急に店長を任されることになって、プレッシャーも相当あったと思うんですよ。

 

それに、前任者が嫌われてたならいいんですよ。
キャストたちは「店長変わるってよー!」「まじで!?やったー!」ってなります。

でもタケさんはすごく好かれてましたから。めちゃくちゃ愛されてましたから。
「タケさん以外の店長はいらない!」っていうくらいに。

なのに、ある日突然感謝の言葉も別れの挨拶すらも伝えられずにいなくなってしまった。

後任がどんな人物であっても、キャストが少なからず拒否感を抱くのは避けられないわけです。

 

 

キャストたちも小関さんの置かれている状況は理解できる。

 

「タケさんじゃなきゃ嫌だ!」

ガキじゃあるまいし、そんな駄々をこねても無意味。

抵抗は正直あるけれど、新しい店長を受け入れていくしかない――――

 

と、キャストたちは自らに言い聞かせたのです。

 

 

 

が。

 

 

 

我々のそんな思いは、小関さんの店長就任2日目であっさりと崩れ去ります。

 

 

 

あ、そうそう。

小関さんの経歴について。

 

直前の職かどうかは分かりませんが、小関さんはボーイズバーのキャストとして働いていた経験を持っていました。

 

確かに、顔だけ見ればそれなりにイケメンといえなくもないかもしれん。

20代。私と同い年でした。

 

ただし、ファッションセンスは謎。

一昔前のビジュアル系アーティストの真似みたいな。

今の時代、この中小都市をその服装で歩くか?みたいな。

ちょっと長めの髪をアイロンでストレートにして、ハットをかぶってる。

 

で、背がデカイ。腹もデカイ。やたらデカイ。

 

 

まぁいいや。外見のことは置いといて。

 

 

あとは、ただのキャスト(接客だけ)ではなく、ボーイズバーではシェーカーでカクテルを作ったりもしていたそうです。

ウイスキーなども詳しい。

 

 

 

だからなのかしら?

水商売経験者で、バーテンダーもできるから?

 

 

 

まぁーーーーーー偉そう。

 

 

いや、社員だし店長だから、アルバイトの私たちよりは確かに偉い立場ですよ?

 

前任者のタケさんよりスゴイところを見せて、なるべく早い段階で自分を認めてもらわなきゃという気持ちも分かりますよ?

 

 

だけどさー。

何か全てが上から目線というか。

 

「自分を認めてもらわなきゃ」というよりも、本気で「俺は偉い、スゴイ」と思ってキャストを下に見てるんじゃないの?という感じで。

 

別に経験豊富な人から教わること自体を拒否しているわけではないんですよ。

「私たちには私たちのやり方がありますから!」とか、そんな傲慢なことを言うつもりもない。

 

でも、接客とかドリンクの作り方についてあれこれ指摘する前に、まずはキャストとの関係づくりを重視した方がいいんじゃないかしら。

 

「前任者がお前たちにちゃんと教えてやってなかったこと、俺なら指導できるぜ」的な態度の新店長を、ハートブレイク中のキャスト陣が受け入れられるだろうか。

 

 

いや、無理。

 

 

無理。

 

 

 

 

無理!!!

 

 

 

 

 

無ーーーー理いいいいいいい!!!!!

 

 

 

 

 

小関さんのこんな一言も、キャストたちには引っ掛かりました。

みゆ、今入ってきた人の席に付いて」

 

 

 

みゆ、今入ってきた人の席に付いて??

 

 

 

みゆ、今入ってきた人の席に付いて???

 

 

 

「みゆ」????

 

 

いきなり呼び捨て???

 

 

 

 

ぅおおおおおおおい!!!

「みゆちゃん」か「みゆさん」って呼べよ!!

 

 

別にまだ仲良くねぇから!!

信頼もしてねぇから!!

今のお前には店長の肩書しかねぇから!!!

タケさんは女の子のこと呼び捨てになんかしねぇから!!!

 

 

その場にいたキャストはみんな目を合わせて、互いの苛立ちを感じ取りました。

もちろん、いきなり文句をぶつけたりはしませんけどね。

何か悪いことをしているかといったら、していないので。

 

しかし、すでに私たちの心の中には強烈な嫌悪感が生まれていました。

これからずっとこの人を店長と呼び、この人の下で働くのか。

 

嫌だ。

耐えられない。

 

 

 

 

そして決定打。

 

 

新しく店長になったので、小関さんが店内にいるお客様のところに挨拶して回っていたんですけども。

 

常連さんを「お?もう飲めないんすか?もう飲めないんすか?まだいけるでしょ~ww 」と煽ってブチ切れさせる。

 

常連さんといっても、もちろん小関さんは初対面。

なのに、何で初っ端からそんな挑発的な態度を・・・

 

そのとき私は反対側のカウンター席にいたんですが、小関さんがお客様にいきなり胸ぐらを掴まれたからビックリしましたわ。そりゃあもう殴りかかりそうな勢いで。

 

てか、私だけじゃなくてお客様たちもギョッとしてましたね。

そりゃそうだ。

 

 

挙げ句、そのお客様に飲め飲め言ってるうちに小関さん自身が飲み過ぎて潰れる。

見かねたキャストが北沢さんに連絡、北沢さんが社長に連絡(!)、小関さんに社長から電話がかかってくる。

社長に叱られた小関さん、お酒もかなり回っており、電話を切った後バックヤードで「ふざけんなよ!!ぶっ殺すぞ!!」と暴言を吐き始める。

 

 

 

もうやだー!!

酔っ払った男がガチ切れしてたら恐いよー!!

壁ガンガン殴ってるしー!!!

 

「見てねぇくせによぉ!女の子たちに稼がせてやろうと思ったんだよ!!」

って知らないよー!!

もう頼むからレッドから出て行ってよー!!

キャストたちはもう泣き出したい気持ちでいっぱいでした。

 

 

そうこうしているうちに、小関さんは力尽きてバックヤードで爆睡・・・

 

 

客足も絶えた朝4時頃。
私たちキャストは、もう耐えられないと言わんばかりにレッドを脱出。

 

当時、レッドの上の階には小さな居酒屋さんが入っていました。
レッドにフードメニューを提供してもらったり、互いに飲みに行ったりするなど、仲良くしてもらっていて。

その居酒屋さんにキャストみんな半泣きで逃げ込んだのでした。

 

これからどうしようか。
あの店長とやっていくのか。
レッドで働き続けるのか。

どうにかしてタケさんと連絡を取れないか。
タケさんを諦めるとしても、小関さんは嫌だ。

今日の件は社長にも伝わっている。
何か動きがあるだろうか。

 

 

その後しばらくして、始発の電車で別の店舗の店長が様子を見に来ました。

 

みんなでレッドに戻ると、店内に入った途端に不快な臭いが。

あの野郎、バックヤードのシンクで吐きやがった…

吐くのは暴言だけにしろボケェェェエ!!とか上手いこと言ってる場合じゃない。

 

 

この日は空いていたおかげでクロージング作業も少なかったし、もう何もしたくなくて、みんな片付けずに解散しました。

 

 

 

 

こうして時間が経ってから思い出してみると、店長に抜擢されて気合い入れすぎたのかな、盛大に空回りしちゃったね、と理解を示してあげたい気持ちが0.3ミリくらいは湧いてきますね。

いや、0.03ミリかな。

 

 

まーその後も彼の総合評価がプラスに転じることはありませんでしたが。

 

こんな感じで、「小関さん時代」は最悪のスタートを切ったのでしたーーー。

 

 

 

ではでは。

お読みくださってありがとうございました。

 

 


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