こんにちは。
知沙都です。
私が働いていたRed Moon Bar(レッド)は、とてもアットホームで、穏やかなガールズバーでした。
水商売の業界では、たくさん稼ぐことが正義。
ーー そんなプレッシャーを排除して、女の子が楽しく無理なく働けるように。
水商売のお店では、たくさんお金を使うことが正義。
ーー それよりも、お客様にはゆっくり寛いでもらいたい。長く愛され、憩いの場となるようなお店づくりを。
この方針を進めていたのが店長のタケさん。
女の子の教育も行き届いていて、開店前や閉店後の作業もスムーズ。
上下関係や対立もなく、いつも和気あいあいとした雰囲気。
女の子たちの仲の良さがお客様にも自然と伝わって、みんなでワイワイ盛り上がる。
売上は決して高くなかったけれど、周辺の他のガールズバーにはない魅力を持ったお店だったと思います。
さて。
私がレッドでバイトを始めてから3ヵ月ほど経った、ある日のことです。
昼職を終えた22時過ぎ。
私はいつも通りレッドに逆シンデレラ出勤 (=深夜0時からの出勤 ) の予定でした。
職場を出る準備をしながらスマホを見ると、レッドの連絡用グループLINEの通知が表示されています。
グループに新しいメンバーが招待されたことと、その“新メンバー”が送った1件のメッセージ。
送信時刻は19時50分頃。レッドのオープンより少し前です。
「今日からレッドに入ることになりました、小関です!まだ分からないことがたくさんあると思いますが、よろしくお願いします!」
んん?
新しい社員さんかな??
今はレッドにいる社員はタケさん1人だけど、この「小関さん」が今後サポートスタッフとして入るということかしら。
当時の私は、レッドの運営会社の社員さんたちをよく知りませんでした。
系列各店舗の店長が誰なのか、サポートスタッフがいるのかいないのか・誰なのか。
そのため、何かよく分かんないけど新しく社員さんがくるんだな~程度に軽く考えて、いつも通りレッドに向かいました。
そして深夜0時前。
レッドの前まで歩いてくると、北沢さんと一緒に知らない男性が立っていました。
北沢さん (男性) は系列の中で売上No.1の店舗の店長。
エリアマネージャーも兼任していたので、レッドにもたまに顔を出します。
あまり喋ったことはなかったけれど、キリッとしたイケメンだし、スゴイ人っぽいという印象でした。
北沢さんと一緒にいる、あの見たことない男性が小関さんなのかな?
2人は何やら話し中だったので、とりあえず私は「おはようございます~、お疲れ様です~・・・」と彼らに小さく挨拶してレッドの店内へ。
そしてバックヤードに入って、びっくり。
みゆさんが泣いてる。
またかよ!と、前回の記事も読んでくださっている方は言いたくなるでしょうけど、今度は本当に泣いてる。
な、な、何だこれは・・・
これまた前回同様、状況が掴めない私。
逆シンデレラはその日の営業が約半分終わったところで出勤ですからね。
いつも現状把握に時間がかかるのが難点。
みゆさん、今日は別にテキーラ飲み過ぎてるわけじゃないよね。
いったい何が起きている??
泣いているみゆさんだけでなく、さくらさんやゆうきさんも深刻そうな・・・というより、暗い顔をしています。
私が重苦しい空気に戸惑っていると、さくらさんの口から衝撃的な言葉が。
「タケさん、いなくなっちゃいました」
え??
は??
ええ???
「いなくなったって、どういうことですか」
「ちょっとまだよく分からないけど、消えちゃって・・・グループLINEは見ました?あの小関さんっていう人が今日から店長なんだって」
「外にいた人ですか?北沢さんと何か話してた・・・」
「うん、そうです・・・」
いなくなった、てか消えちゃった???
店長が替わるということだけは理解できたけど、普通の人事異動じゃない。
事前に一言も説明なく、こんな急に店長交代なんておかしい。
消えちゃったって何?
タケさんはどこに??
電話やLINEも繋がらないの?
北沢さんは何か知ってるの?
私たちには教えてくれないの?
あまりにも突然の出来事に、どうしたらいいのか分かりませんでした。
実はこの件、私は未だに真相を知りません。
飛んだとか、実は色々やらかしていてクビになったとか・・・
※飛ぶ:ある日突然職場等に来なくなり、行方をくらますこと
不確かな話はたくさん聞いたけど、本当は何だったのか結局分からないままです。
しばらくの間は、お客様から「◇◇でタケさんみたいな人を見た」「実は今は△△で働いているらしい」等々真偽不明の情報がよく入ってきました。
もし本当だったとしたら、まだ遠くへは行っていなかったのでしょうか。
しかし、レッドにタケさんが再び現れることはありませんでした。
タケさんがいるからレッドで働いている。
タケさんが系列他店舗に異動になったら自分も付いていく。
タケさんが辞めるなら自分も辞める。
ベテランキャストたちにここまで言わせていたタケさん。
彼女たちのショックがどれほどだったか、当時まだ働き始めて3ヵ月程度だった私には計り知れません。
タケさんと付き合いの長い常連さんたちも困惑していました。
社員から何とかして話を聞き出そうと、わざわざ家から遠い系列他店舗に乗り込んでいくお客様までいたほどです。
そこまで愛されていたのに。
タケさんのことを慕っていたキャストやお客様をみんな置いて、いったいどこに行ってしまったのか・・・
こうして、Red Moon Barの「タケさん時代」は何の前触れもなく幕を閉じました。
私にとってはわずか3ヵ月。
だけど、タケさんとタケさんに育てられたベテランキャストたちのおかげで、その後の私があります。
突然消えたことを除けば、タケさんには感謝しかありません。
さて。支柱を失ったレッドはどうなるのやら。
大波乱?の「小関さん時代」、始まり始まり。
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