こんにちは。
知沙都です。
「ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか」
本日で最終回です。
第1回~3回をご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(1/4)
ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(2/4)
ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(3/4)
ここまでの内容をざっくりまとめます。
失恋の悲しみを癒してくれた年下のお客様「翔ちゃん」と付き合うことになった私ですが、私のガールズバーでの働き方などを巡ってすれ違い、わずか3ヵ月で破局(ほぼ私が悪かった)。
一方、私は翔ちゃんとの交際中に出会った「賢くん」というお客様を好きになり、両想いかも?という関係に。
しかし、翔ちゃんと上手くいかなかった反省から「付き合いたいならば、お客様として通ってもらうのは諦める」「お客様でいてもらいたいならば、付き合うのは諦める」という2択で悩みます・・・
そもそもね。
お客様でいてもらうのがそんなに大事かよって話なんですけどね。
賢くんにベタ惚れだとか言ってたくせに。
良いお客様を持っている、他のキャストからもそう見られている、そのプライドがそんなに大事かよって。
大事だったんですよ。
賢くんのことを実は大して好きじゃないとかではなく、プライドが高すぎたんでしょう。
Red Moon Bar(レッド)で働き始める前は何をやってもポンコツだったので、ガールズバーで手にしつつある成功への執着心もありました。
ガールズバーを辞めて賢くんと付き合うという選択は考えられませんでした。
というより、思いつきもしなかったなぁ。
成功とかプライド云々を抜きにしても、こんなに楽しい仕事は今までなかったですし。
プライベートで彼氏ができて辞めていった子を見たことはありましたけどね。
当時の私には、レッドを辞める発想自体がなかったです。
賢くんがこのまま通い続けてくれれば、毎週会えて、数時間一緒に楽しい時間を過ごせる。
同伴すればデート気分も味わえる。
今のままで、付き合う流れにならないようにすれば。
告白されそうな雰囲気になるのを上手く回避すれば。
そう考えて、賢くんとは付き合わずに、私がいつかレッドを卒業するその日までお客様として通い続けてもらう方針に決めたのです。
とはいってもね。
これはあくまでも私の勝手な方針。
賢くんにしてみれば、両想いかもしれないのに大人しくお客として通い続けるメリットはないですよね。
ガールズバーではいつもカウンター越し、他の人の目もある。
私が他のお客様と親しげにしているところも見なければならない。
同伴しても、食事や買い物くらいのことしかできない。
手を繋ぐことすらできない。
そしてお金もかかる。
知り合ってからの数か月間は、賢くんはただひたすらに良いお客様でした。
レッドに通って、お金を落とし、面倒なことを言ったり無理な要求をしたりはしない。
しかし、少しずつ変わり始めます。
時折私の気持ちを確かめる言葉を投げかけてくるようになったのです。
賢くんも馬鹿ではないので、ガールズバーのキャストに転がされている可能性を考えていたのでしょう。
そのたびに私は話題を逸らして核心に触れるのを避けました。
だけど、お客様が「お客様」を本気で抜け出そうとし始めたら、もう長く引っ張り続けるのは厳しいんですよね。
少なくとも当時の私のスキルでは、限界が近付いていました。
攻めに転じた賢くんは容赦ない。
「このまま関係が変わらないなら、もう店に行くのやめようかな」
お店に来てくれなくなったらもう会えない。
それは絶対に嫌だ。
お客様としても逃してしまうことになる。
かといって、押され負けて付き合ってしまったら、やはりお客様ではなくなってしまう。
どうしよう。
どうしたらいい?
賢くんが彼氏になって、私のお客様として通ってもらえなくなるのは困る。
でもこのままでは賢くんは結局お店に通うのをやめてしまい、会えなくなる。
かといって「付き合ってからもお店に来てくれ」とは言いたくない。
これだけはもう翔ちゃんのときとは違う。プライドもある。
付き合っても付き合わなくても、どちらにしろ賢くんはお客様ではなくなってしまう。
だったら。
会えなくなるくらいなら・・・
悩ましい日々がしばらく続きました。
そして、いつも通り賢くんがレッドに来てくれたある金曜日。
賢くんの口から思いがけない一言が。
「俺、再来月から東京になった」
「え?」
え?
東京?
ちなみに、レッドがあるのは中部地方です。
「転勤ってこと?」
「そう」
「いつ決まったの?」
「今週の月曜」
一瞬、私を動揺させるために嘘をついているのかなと思いましたが、どうやら本当のようでした。
東京に引っ越すの?
そんな展開ありかよ・・・
翌週の金曜は同期2人・後輩1人を連れて4人で来てくれました。
賢くんの東京行きは栄転だそうで、出世して俺らに奢ってくれとか、今東京本社にいる○○さんが~とか、そんな話で大盛り上がり。
やっぱり転勤は本当なんだ。
私はどうしたらいい?
賢くんはどうするつもり?
しかし。
賢くんは、私と2人で話しているときは自分から転勤の話題を出してきません。
もちろんLINEでも。
それどころか、先週まではたまに私を揺さぶるようなことを言っていたのに、一切言わなくなったのです。
まあ・・・こうなってしまった以上、付き合うとしても遠距離恋愛。
最初から遠距離では上手くいくかどうかも分からないし、なかなかしんどいですよね。
中部地方と東京なら、会おうと思えばそこまで難しくはないけども。
でも、お金と時間はそれなりにかかるし。
私の生活は昼夜逆転しているし。
何より、私の仕事が仕事。
翔ちゃんが同伴やアフターに励む私を「男遊び」と表現したくらいなので、賢くんが同じように感じていたとしても不思議ではない。
それで安心して遠距離恋愛ができるか。
私が電話やLINEでどれだけ賢くんに好きだと言ったって、他の男性と食事をしたりお酒を飲んだりしているのは事実。
好きだという気持ちだけでやっていける自信は、私にはありませんでした。
そしてそれは賢くんも同じだったのでしょう。
転勤してしばらくはバタバタするだろうし、東京で新しい出会いがあるかもしれない。
ガールズバーのキャストにハマってしまったことなんか、すぐ忘れられるだろう。
賢くんはまだ若いしハイスペックだから、これからいくらでも素敵な女性とのチャンスがあるはず。
フリーターで水商売をやっている私は、そもそも釣り合わない。
賢くんは、転勤に伴う業務の引き継ぎで忙しいとか、引っ越しの準備や送別会があると言って、来てくれない週末が多くなりました。
理由は本当だろうけど、今まであれだけきっちり毎週来てくれていたのに。
ああ、これはもう距離を置こうとされてるな・・・
転勤までの日々はあっという間に過ぎていき、引っ越しの前々日。
賢くんと同期5人がレッドに来てくれました。
同期の人たちに「お前ガールズバーの子に挨拶しなくていいのかよ」と言われて来たらしく、賢くんは何となく居心地が悪そう。
それでも、シャンパンで乾杯し、みんなで朝方までダーツやカラオケでドンチャン騒ぎしてくれて、お会計もかなり膨らみました。
金額を告げても「あ、そんなもんか」と余裕しゃくしゃくで割り勘する6人。
おいおい、かっこよすぎかよ。
大企業勤めなんだもんね。
そりゃあ全国転勤もあるよね。
帰り際、私は賢くんに「東京でも頑張ってね!こっちに出張があったらまた来てね」と言うのが精一杯でした。
賢くんも「おー」と答えただけ。
牛丼食って帰るか~と、6人は朝の街に消えていきました。
こうして賢くんとの関係は終了。
結局、付き合うこともなく、お客様としても失うことに。
その後1回だけ出張のときに来てくれましたけどね。同期の人たちを連れて。
それが最後になりました。
こんな言い方すると死んだみたいだな(笑)
LINEは繋がったままなので、連絡しようと思えばできます。
賢くんと過ごした時間は本当に楽しかった。
後にも先にも、ガールズバーで賢くんほど好きになった人はいませんでした。
お客様としても賢くんよりかっこいい人は見ていないな。
付き合ってみて壊れてしまうよりは、嫌な思いをせずに済んで良かったのかもしれません。
あ、でも考えてみたら。
賢くんが転勤でいなくなった後も、一度もNo.1から陥落しなかったわ。
もっと早くから、普通に付き合っていれば良かったな。
ということで。
ずいぶん長くなりましたが、ガールズバーのお客様との恋愛についてお届けしました。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない幕切れで申し訳ないですが、こんなもんです。
いやー恥ずかしい。ホント恥ずかしい。
とにかく色々恥ずかしいしカッコ悪い。
これだけ恥を晒したので、少しでもお楽しみいただけましたなら幸いです。
お読みくださってありがとうございました。
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