こんにちは。
知沙都です。
前回は、私が働いていたRed Moon Bar(レッド)のちょっと変わった指名制についてお話しました。
一般的な指名制(本指名)が
①お客様が来店したら、スタッフが「ご指名は」と尋ねる。
②お客様は「無し」や「〇〇ちゃんで」と答える。
③指名を受けたキャストが接客
④お客様は(滞在時間に応じて)指名料を支払う
⑤お客様のお会計がキャストの個人売上になり、一部がバックされる
↑↑こんな感じなのに対し、レッドの指名制はこう↓↓でした。
①キャストがお客様にLINEや電話で「来てね」と営業する
②お客様から「行くよ」と返事をもらう
③営業をかけたお客様が来店したら、そのキャストの指名とする
④指名料は無し
⑤お客様のお会計がキャストの個人売上になり、一部がバックされる
お客様から「行くよ」という言葉を引き出しさえすれば、指名扱いになる。
何なら「行くかも」「行けたら行く」「考えとく」でも可。
要するに、お客様が「そのキャストが営業した結果として来店した」とみなされれば指名扱い。
一方、お気に入りのキャストが決まっているお客様でも、「今から行くよ」等の連絡なしでふらっと来店すると指名扱いにならない。
※接客にはそのキャストがつくので、連絡なしでもお客様にはマイナスがない(=連絡なしで来店し続ける)。でもキャストには売上バックが入らない。
本来ならば、誰かを指名するか否かはお客様が決めること。
それを店側の基準で判断するこの独特な指名制度が、キャストたちの不満を生み出す原因になりました。
→ガールズバー「レッド」の、女の子同士で揉める未来しか見えない珍妙な指名制
さて、前回の記事の冒頭で「私のNo.1時代の幕開けが近付いてまいりました。やっほーい!!」と書いたのですが。
実は、レッドが指名制になると決まった頃は全然「やっほーい!!」なんて思っていませんでした。
今回は指名制がスタートした話に進もうと思っていたのですが、導入前のあるエピソードを思い出してしまったので、先にちょっとそっちを喋らせてください(笑)
指名制が始まる2ヵ月ほど前。
レッドの売上を伸ばす施策として挙がっていたのは、指名制だけではありませんでした。
・キャストドリンクの値上げ
・テーブルチャージを取る
・指名制にして、指名料を取る
お店が暇だった日、店長の小関さんと私の2人で、これらについてどう思うか話したことがありました。
レッドの今のドリンク代は相場より少し安いので、値上げしてもいいかもしれない。
テーブルチャージは、数百円だとしても常連さんから反発されそう。
指名料を取るのはレッドには合わない気がする。
それに…と私は言いました。今でもはっきり覚えています。
「私、指名制は絶対に嫌です・・・リンちゃんとメイちゃんが1位・2位に決まってますもん。今は順位がはっきりと発表されないからプライドを保っていられるのに」
リンちゃん・メイちゃんとは、ベテラン勢が去った後のレッドを牽引していた仲良し2人組キャスト。
妹系と小動物系のコンビで絶大な人気を誇っていました。
当時の私の認識としては、自分自身は3番人気。
2人は若くて可愛いし、早い時間からの出勤も多い。
むしろ他にも私より若くて可愛い子がたくさんいる中で、昼職と両立しつつ3番人気ならば、私もよく頑張っている方じゃない?
しかしですねぇ。
私はとても負けず嫌いなので。
お客様への営業の手応えを掴んできていた時期だったこともあり、負けているのは正直悔しかったのです。
だけど、売上を集計してランキングがつくられているわけではない。
私が本当に負けているかどうかは誰にも分からない。
そう思うことにして己のプライドを守っていました。
自分がお客様を呼べていないときに、他のキャストとお客様が楽しそうに盛り上がっている。
それを見ていることしかできないのは、なかなか辛いものです。
お客様に選ばれたキャストと、選ばれなかった自分。
今日はたまたま誰も来てくれていないだけで、私にだって自分のお客様といえる人たちがいるもん。
そう思って気にしなければいいんですけどね。簡単には割り切れません。
リンちゃんとメイちゃんのお客様が早い時間から朝方までずっと滞在していた、ある日の日記(手帳のメモ)が残っていました。
とても恥ずかしいんですが、店長の小関さんと揉めたのです。
説明は後述しますので、先にメモの文章を載せますね。
今日、ガールズバーの後 小関さんに私の発言を注意された。
リンちゃん指名のAくんとBさん、メイちゃん指名のCくんが朝まで居て(Bさんは4時台に帰った)、閉店の5時を過ぎたのに小関さんがAくんとCくんを引き止めるようなことを言ってたから「私たちも時給を5時半までつけてもらえるんですか?」って言ったら、「他の子(特に自分のお客さんを呼んでる子)をムッとさせるようなこと言うな」って。
私はAくんがリンちゃんにお金を使えるように自分はあんまりドリンクもらわず、出前をおごって気分を良くしてもらい、Aくんの興味がミカさんに移った後は自分から時給切っていいですって申し出たし、最後Bさんを見送ったのは私だし。
小関さんはAくんたちと楽しく飲んでたくせにさ。
確かに私も悪かったと思うけど、私を責める前になぜ私がああいうふうに言ったか考えてよ。私を悪者にしないでよ。
意味不明すぎるところは一応ちょこっとだけ補足したんですが、ほぼ原文ママ。
何やら怒ってるということ以外よく分かりませんよね。すいません(笑)
まず、先ほども書いた通りリンちゃんとメイちゃんそれぞれのお客様が朝までずっとお店にいました。
あ 「指名」と書いてありますが、リンちゃんメイちゃん目当てで来ているということです。
指名制導入よりも前の話で、売上バックもまだありません。
詳細に説明すると長くなるので、簡単にまとめますと・・・
この日、私は自分のお客様を呼べていませんでした。
本当はすごく悔しかったけれど、でもムキになるのはかっこ悪い。
そう思って、指名がかぶっているリンちゃん、他店舗からヘルプでレッドに来てくれていた「ミカさん」、お店の人件費節約、その他メモには書いていませんがクロージング作業等々、お店が上手く回るよう自分なりに尽くしたのです。
ところが、閉店時間の朝5時になっても、店長の小関さんはAくんとCくんを帰らせる気配がない。
それどころか、帰ろうとする2人を「お?帰んの?帰んの?笑」と引き留めている。
お店が空いている日は、接客をしていないキャストは時給を切られます。
こっちは時給が切られていてもクロージング作業をちゃんと進めて、閉店を待っているのに。
自分の力不足とはいえお客様を呼べない惨めさを押し殺し、お店のために動いたのに。
小関さんは仲の良いお客様とワイワイ飲んでただけでしょ。
延長営業をするならするで、待機中のキャストには帰っていいよと言ってほしい。
区切りをつけずにダラダラと引き延ばすのはやめてよ。
そんなイライラが募って、小関さんに言っちまったのです。
「私たちも時給を5時半までつけてもらえるんですか?」と。
小関さんからしてみれば、リンちゃんとメイちゃんは自分のお客様を朝まで引っ張って売上に貢献したのに、呼べてないお前が時給をつけろなんてふざけんなって話なんですよね。
それで、「他の子をムッとさせるようなことを言うな」とLINEで苦言が送られてきたというわけです。
確かに私が悪いんですよ。
あの状況で時給が切られるのは(レッドでは)当たり前。
お客様を呼べた子の頑張りに対して失礼だったのも間違いない。
私が他のキャストやお客様のためにどう振る舞ったか、誰も気付いてないのには腹が立ちましたけど。
リンちゃんやメイちゃんはいいとして、小関さんまで酔っ払って周りが見えてないってどういうことよ、と思って。
しかしながら。
自分のお客様を呼べず、他のキャストとお客様の楽しそうな声を聞きながらずっと待機している悔しさは、とても耐え難いものがありました。
気遣いのない小関さんに苛立っていたとはいえ、その悔しさがなければこんな発言はしなかったでしょうね・・・
そもそも「お店のため」「他のキャストやお客様のため」なんていっても、実際には居ても立っても居られないもどかしさを紛らわしたかったのが本当のところでした。
それすら報われず。
せめてそれだけでも評価されたかったのに。
かえって悔しさを増幅させる結果に。
情けない。
みっともない。
かっこ悪い。
私ダサかったな、本当に。
何でもっと軽やかに涼やかに振る舞えないのかなー。
この一件で私は小関さんに「調子乗ってる」認定されて、しばらく干されました。
乗ってないですよ。
全然乗ってないです。
むしろ焦りや危機感を抑えきれなかった、余裕のなさが原因だったのですから。
ということで。
指名制が導入される前ですら、この程度のことでプライドが傷付いてしまう。
冷静さを保てない。
自分がお客様を呼べておらず、他のキャストは呼べている。
そんな状況、これから何度起こるか分からないのに。
毎日のように起こるかもしれないのに。
だいだい、若くて可愛いリンちゃん・メイちゃんに対し、私には売りがあるのか。
何もないのに勝てるはずもない。
それなのにプライドばかりが先走って、いちいち心を乱していたらやってられない。
このような自覚があったので、指名制が導入されるのは絶対に嫌だったのです。
勝ち負けを毎日はっきりと見せつけられたら・・・私はきっと投げ出したくなってしまう。
しかし、無情にも指名制の導入が決定。
私はどうなってしまうのでしょう・・・?
この感じだと暴れ出したりしそうですね(笑)
ではでは、今回はここまで。
次こそ指名制がスタートします!笑
お読みくださってありがとうございました。
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