こんにちは。
知沙都です。
第1回・2回をご覧になっていない方は、ぜひこちらから。
ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(1/4)
ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(2/4)
前回までの内容を簡単にまとめますと、
Red Moon Bar(レッド)というガールズバーで働いていた私は、失恋の悲しみを癒してくれた年下のお客様「翔ちゃん」と仲良くなり、付き合い始めます。
しかし、私のガールズバーでの働き方や、指名客から彼氏になることを巡る考え方の違いなどから、互いに不満を抱くように。(まぁ8割私が悪い)
私が別のお客様「賢くん」を好きになってしまったことも一因となり、わずか3ヵ月で破局。
さて。
翔ちゃんと別れた私は、賢くんとどうなっていったか。
賢くんは、ぶっちゃけものすごくかっこよくて、ものすごく良いお客様でした。
第1回の記事に書いたことといくつか重複しますが、
・毎週末お店に来てくれる。
・お金を使ってくれる。
・他の女の子にちょっかいを出さない。
・酔いつぶれない。
・LINEはちゃんと返してくれるけど、文章はあっさりしてる。
・口説いたり触ったりしない。
・自分から他のお客様に絡んだりはしないけど、絡まれた時はフレンドリーに応じる。
素晴らしくないですか。
上記に加えて、私と同い年、外見が好みで、話も合う。
し か も 。
まだあるんかい。
あるのよコレが。
レッドから徒歩10分ほどのところに、賢くんの会社の借り上げマンションがありました。
そこに賢くんや賢くんの同期社員が数名住んでいたのです。
初めて来店した時(第1回参照)に一緒だったイケメンお祭り男のAさんもその1人。
賢くんの同期たちはみんなすごく仲が良いんですよね。
その日に都合の良いメンバーで集まっては、近所の居酒屋でよく飲んでいると聞いていました。
そしたらですよ。
時々だけど、賢くんが彼らをガールズバーに連れてきてくれるようになったのです。
これは激アツですよ・・・
実は、賢くんと知り合ってからしばらく経って、レッドでも正式に指名制が導入されたんですよね。
それによって、誰がどのキャストのお客様なのかが明確にされ、キャストの個人売上がカウントされるようになりました。
そして売上ランキングがつくられます。
当たり前の話ですが、お客様1人の場合と比べて2人なら売上は2倍、3人なら3倍。
大人数の盛り上がり効果で、それ以上の売上も期待できます。
最大で5人連れてきてくれたんだったかな。賢くん含めて6人。
当時のレッドは、店舗の平均客単価が確か8000円~9000円程度、月間売上が300万円台でした。
12月などの繁忙期にはもう少し伸びますが、それにしてもえげつない低さです。
そんな中でですよ。
6人連れのグループ客様だったら、1時間で3000円×6人=18000円。
キャストが6人ついて全員1杯ずつドリンクをもらったら+6000円で24000円。
これだけでも大きな売上といえます。
(ちなみに、賢くんは1人で来ても金曜(24時~)なら2万円台、土曜なら3万円台は使ってくれていました)
しかも、
(まだあるんかい!)
賢くんたちの会社は結構大きい会社らしく、賢くんをはじめ、誰もケチケチしない。
みんな20代ですから、100円でも200円でも安く済ませようとしたって不思議じゃないのに。
大企業に勤めているプライドというか、見栄だとしても、「金がない」ばかり言っているよりも遥かにかっこいいです。
こうなると、今度は同期メンバーの誰かが私以外のキャストを気に入って指名する恐れが出てきます。
キャストたちも目をギラギラさせて積極的に営業をかけようとしますし。
もし他のキャストが指名を受ければ、グループの売上は折半になってしまいます。
※グループのお会計が6万円だった場合、指名されているのが私1人なら6万円全て私の個人売上としてカウントされる。
他に指名を受けたキャストがもう1人いれば、個人売上は3万円ずつ。
指名を受けているキャストの人数で割ることになる。
しかし、みんな賢くんと一緒にしかレッドに来ず、特定のキャストに興味を示すこともなく。
私は彼らの売上をずっと独り占めすることができました。
さらに、
(まだあるんかいっ!!)
誰が教えているんだか、その会社の人たちはみんなスーツのセンスがいいんです。
賢くんたちも、先輩も、後輩も。
ごく普通の真っ黒なセットアップを着ていることはまずなくて、かといって奇抜なわけではなく、でもさりげなくオシャレな着こなし。
何で全員そんなにかっこええねん。
で、
(もういいっつーの!!)
賢くんは、そんなメンバーの中でもエリート扱いされていました。
同期の出世頭なのだそう。
ある時、レッドに一緒に来ていた同期たちがこう言いました。
「賢さ、こないだのボーナスで〇万円もらったんだろ?」
「え、まじ!?エリートは違うな!」
それに対して賢くんは、1秒くらい黙った後
「…〇万はもらってない」
少し口ごもりながら答えた賢くんを見て、「ああ、近い金額はもらったのね」とその場にいた全員が思ったでしょう。
もうね、これだけ書けば画面の前の皆様はお腹いっぱいですよね。
ハイハイ、分かったよ。賢くんはかっこよかったのね。
本当に、めちゃくちゃ恥ずかしいんですけども。
ベタ惚れだったんです。
毎週、賢くんが来てくれる金曜日が楽しみで仕方なかった。
会いたくて会いたくて震えるとはこのことかと。
煙草の煙をふーっと吐き出す表情も、眼鏡を上げる仕草も、少し緩めたネクタイも、全部かっこよくて。
すごく背が高い方ではなかったけど、細身だからスーツがよく似合う。
かっこいいから好きなのか、好きだからかっこよく見えるのか、もうよく分からないくらい好きでした。
これを言ってしまうのはどうなのよと思いますが、翔ちゃんに対しては正直そこまで想っていなかったな・・・
前回の記事で「失恋の後でなければ翔ちゃんを好きにならなかったかもしれない」と書きましたが、賢くんはいつ出会っていても好きになっただろうと思います。
賢くんに翔ちゃんより早く出会っていれば、翔ちゃんを振り回すこともなかったでしょう。
こんな言い方して、ほんとクソ女以外の何者でもないんですけどね。
でも、私は翔ちゃんと別れてから一層賢くんへの想いが募っていました。
一方、先に好意を示した賢くんの方はどうだったか。
たぶん賢くんも私のことが好きだったと思います。
都合の良い思い込みではなくて、客観的に考えても、たぶんね。
賢くんは、お店に通ってくれる一方で、よく2人きりになりたがりました。
店内がちょっと暑いから外に出て煙草を吸いたいとか、コンビニにお菓子を買いに行くとか、お店が暇だったら駅まで迎えに来てよ、とか。
同伴でも早めに待ち合わせをして、長めに時間を取ることが多かったですね。
他のキャストの女の子も「賢くんってちさとさんのこと好きだよね。特別扱いされたいんだね」と言っていました。
両想いやん。
翔ちゃんより好きだったとか言うなら、付き合えばええやないの。
と思うじゃないですか。
ところがですよ。
ここまで惚れ込んでいたにも関わらず。
関わらず。
賢くんのことを「お金をたくさん使ってくれるお客様」として見ていることだけは、どうにも変わらなかったのです。
翔ちゃんのときと同じ。
どれだけ好きになっても、そこだけは同じ。
自分でもちょっと信じられなかったですよ。
お店で賢くんと楽しい時間を過ごしながらも、
「今日はいくら使ってくれるかな」
「もうちょっとドリンクもらえないかな」
ずっとそんなことが頭の片隅に――いや、半分くらいを占めていました。
見上げた営業魂よ。笑っちゃうな。
賢くんのことが好き。
賢くんと付き合えたらいいのにな。
でも、翔ちゃんと付き合ってどうなったか。
翔ちゃんはお客様から彼氏になり、お店に来なくなった。
私の指名客が1人減った。
翔ちゃんは元々付き合う前もレッドにそんなに来ていなかったけど、賢くんは毎週来てくれてお金もたくさん使ってくれる。
しかも会社の同僚や先輩・後輩も連れてきてくれる。
このお客様を失うのは大打撃。
じゃあ、付き合ってても賢くんがお店に通い続けてくれればいいの?
私のためにお客様としてお金を使わせる?
それがおかしいことだというのは、翔ちゃんと付き合ってよく分かった。
もう私自身も、賢くんにそうしてほしい、そうさせたいとは思わない。
付き合いたいならば、お客様として通ってもらうのは諦める。
お客様でいてもらいたいならば、付き合うのは諦める。
どうしたらいいのか、私は迷いました。
ではでは、次で「ガールズバーの女の子とお客様の恋愛編」最終回です。
よろしくお願い致します。
→ガールズバーの女の子とお客様が付き合うことはありますか(4/4)
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