ガールズバーの売上女王は若くて可愛い・・・?

こんにちは。

知沙都です。

 

 

私が働いていたガールズバーの系列には「女王」がいました。

コワイっていう意味じゃないですよ。笑

 

売上の女王です。

系列全体で不動のNo.1。

 

※ちょっとややこしくて申し訳ないのですが、系列店舗の中には指名制を導入している店としていない店がありました。
女王が在籍している店舗は指名制を導入しており(=キャストの個人売上がカウントされる)、私が働くRed Moon Bar(レッド)はまだ導入していませんでした。後にレッドも指名制になります。

 

 

女王の名前は「ルカさん」といいました。

系列の各店舗の店長たちは、みんな口を揃えて「ルカちゃんはすごい」と絶賛。

 

小関さんはレッドの店長になる前、ルカさんのいる店舗で店長研修を受けていました。

彼曰く、

 

「ルカちゃんが付くと、なんかいつの間にかドリンクが出てる」

 

 

お客様にドリンクをもらうのって難しいんです。

キャストのドリンクは1杯1000円かかるので、ほいほい飲ませてくれるお客様は決して多くありません。

 

そりゃそうですよね。

最安2000円(tax抜き)で飲めるお店ですから、出来るだけ安く済ませたいお客様が多いのは当然のこと。

 

 

一方で、キャストや店にとっては、ドリンクをどれだけもらえるかで売上に大きな差が出ます。

時間制なので(60分3000円くらい)、延長してもらうことももちろん超重要です。

しかし、時間当たりの単価を上げるためにはドリンクをもらうことが必要不可欠。

 

「一緒に乾杯したいな♪ 1杯いただきます♪

いいよね?ね?(にっこり)」

という感じで強引にもらうこともできますが、それはあまりよろしくない。

うざいキャストだなと思われかねません。

 

ガールズバーに数回行ったことがあれば、キャストにドリンクドリンク言われて嫌だったという経験をした方も少なくないのではないでしょうか。

 

ドリンクはお客様に気持ち良く出してもらわなければいけないのです。

 

 

小関さんが言うには、ルカさんはそれがものすごく上手なのだと。

いつもキャストにドリンクを出さないお客様でも、ルカさんが接客すると「いつの間にかドリンクが出てる」のだと。

 

 

おいおい、それはいったいどんな素晴らしい接客なんだ・・・

かく言う私も、お客様にドリンクをお願いするのが本っ当に苦手でした。

 

私は「いつか女王に会ってみたい、その魔法のような接客を見てみたい」と思うようになります。

 

ちなみに、ルカさんは1杯あたりのドリンクバックが他のキャストの3倍。

社員たちにどれほど実力を認められていたかが分かりますね・・・

 

 

 

そしてある日、ついに対面の機会が訪れました。

 

ルカさんの在籍する店舗が改装のためしばらく閉店し、一部のキャストがレッドに出勤することになったのです。

 

ついにルカさんに会える!ドキドキ・・・

 

 

 

初めて会った日のルカさんは、今でも忘れません。

 

ネイビーのワンピースにハイヒール。

背が高かったからよく似合っていたなぁ。

 

髪は肩より少し短くて明るめの茶髪で・・・

 

 

 

ルカさんの印象を一言で表すならば「華がある」。

 

 

確かに美人だけど、目を見張るような美人ではない。

スタイルも良いけど、思わず振り返るほどではない。

 

でも、何だろう。

 

すごく華がある。

なぜか目立つ。

 

そしてカワイイ。

 

どこが可愛いとかじゃなくて、雰囲気も含め全体がカワイイ。

 

 

 

でね、ルカさんの何がすごいかって。

 

 

 

 

 

それは、30歳のシングルマザーだということ。

 

 

30歳よ、30歳。

 

ガールズバーはキャストの大多数を20代前半の子たちが占めているのに、30歳で不動のNo.1。

 

かっこ良すぎか。

 

 

しかも、子持ちであることもお客様に公表してる。

 

キャバクラにはシングルマザーさんが結構いたんですが、お客様に公表している人はほぼいなかったです。

「子どもいるのかぁ~」と思うと、どこか現実的な気分になって冷めてしまうというお客様が少なからずいますからね。

逆に「父親代わりに 俺はなる!!」とか言われてしまっても面倒ですし。

 

 

 

ガールズバーやキャバクラでは、売れない・売れなくなった理由を「若い子には勝てない」と考えてしまいがち。

お客様の方も「あの子はもう若くないからねぇ~」と笑ったりします。

 

私自身、水商売の世界に飛び込むにあたっては、もう20代半ばだけど大丈夫かなぁと思っていました。

 

 

だけど、ルカさんを見たら誰もそんなこと言えないわ。

 

女王が30歳なのに、若くないことを言い訳になんかしたら恥ずかしい。

 

私が「もうあまり若くないから売れなくても仕方ない」と開き直ったりせずに頑張れたのは、ルカさんの存在があったからなのです。

 

 

 

そして、肝心の接客はどんなふうだったか。

「いつの間にかドリンクが出てる」という魔法の接客とは・・・

 

 

 

正直に申し上げますと、その核心に迫るには至りませんでした。

チーーーーーーーン。

 

 

だ、だって、この日を含めても数えるほどしか会っていないんですよ!

自分もお客様に付いてるから、ルカさんの接客をずっと見ていられるわけじゃないし・・・

 

 

ただ、ルカさんを知る他のキャストが言うには、

「若い」

「キャッキャしてる」

 

なるほど。

「若い」と評価されるのは実年齢が若くないからではあるけれど、大人っぽい雰囲気を持ちつつ、20代前半の子たちのような元気さも兼ね備えているということか。

 

 

それから、私が遠目に見ていて感じたのは、立ち方と手の置き方が綺麗。

手の置き方というのは、カウンターの上に手を置いて接客しているときのことです。

これだけはすぐに真似しました。

 

 

ルカさんのスゴイところは他にもあります。

 

出勤する日の8割は同伴。

それ自体もスゴイし、お子さんもいるのにいったいいつ寝てるの?っていうのも(汗)

 

長いこと女王として君臨し続けてるのに、偉そうなところが全然ない。

休憩中でも朗らかでフレンドリー。

いつも掃除などのクロージング作業も最後まできちんとやってから帰っているそう。

 

あまりにもカワイイので、一部男性社員がメロメロ(笑)

 

 

 

私自身はルカさんをじっくり観察することはできなかったけれど、ルカさんの接客を初めて受けたお客様が送ってくれたLINEの一部をご紹介します。

私が辞めた後、指名客だった方に「他にイイ女の子がいるお店を探さなきゃ・・・笑」と言われたのでルカさんを紹介したところ、すぐに行ってきてくれたのです。

(そのお客様は私と同い年。つまりルカさんより年下)

 

「ちーちゃん(私)が『あの人がNo.1』って言うのも頷ける人だった」

「すげー可愛かった。雰囲気がふんわりしてるよね。子どもがいるとは思えない。喋りも上手いし」

「子どもがいるって言われなかったらハマっちゃってたかもしれない・・・笑」

 

ちなみに、ルカさんはほんの数回しか会ったことのない私のことをちゃんと覚えていてくれたそうです!

女王っていうか、もはや女神・・・

 

 

 

冒頭で書いた通り、私が働くレッドにも後に指名制が導入され、その数か月後には私がルカさんの売上を越えるようになりました。
(何回勝ったのかは不明。全店舗ランキングはあくまでも社員用の資料で、キャストに対して毎月発表されるわけではなかった)

 

ただし、別の店舗で個人売上を比較するのは正直あまり意味がない。店舗ごとに客層や立地環境などが異なりますからね。

それに金額で私が上回っていても、接客に対する社員たちの評価がルカさんを凌いでいたとは到底思えません。

 

もし同じ店舗に在籍していたら絶対勝てなかったでしょう。

勝てる気がしない。

 

だから私にとってルカさんは永遠のNo.1であり、憧れの存在なのです。

 

 

言い換えると、ルカさん以外のキャストならどんなに若かろうが美人だろうが勝てると思ってました。当時はね。笑

 

 

 

ではでは、今回はここまで。

お読みくださってありがとうございました。

 

 


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